最近よく耳にする “Build in Public(ビルド・イン・パブリック)” という考え方。
ここ数年で特に海外の個人開発者やスタートアップ界隈では当たり前になってきていて、「プロダクトって、完成してから見せるものじゃなくて、作ってる途中も見せていいんだよ」という文化です。
今日は、その Build in Public がどういう考え方なのか、そしてなぜこれが世界的に注目されているのかを、自分の視点も踏まえつつ、できるだけ噛み砕いて書いてみたいと思います。
Build in Public ってそもそも何?
ざっくり言うと、
作っている途中のプロダクトのことも、思考プロセスも、
成功も失敗も、そのまま外に出しながら作っていくスタイル
のことです。
“できたものをドン!”と出すのではなくて、
「今こんな感じのところを作ってます」とか
「この部分で詰まってます…」とか
「この判断ミスったかも」みたいな裏側まで含めて公開していく。
個人開発者にとってはもちろん、スタートアップにとってもプラスになると言われている理由がたくさんあります。
Build in Public が注目されている理由
透明性が信頼を生む
裏側を見せることで、プロダクトのストーリーが伝わる。
どういう思いで作っているかがわかると、自然とファンが増えやすい。
早い段階でフィードバックが得られる
完成してから修正するより、途中段階でユーザーの反応を見ながら改善するほうが圧倒的に速い。
コミュニティが生まれる
「一緒に育ててる感」が出る。応援してくれたり、意見をもらえたり、自然と口コミしてくれたりもします。
無料で継続的なマーケティングになる
毎日の小さな進捗を外に出すことで、勝手に広まっていく。結果的に広告費ゼロでも認知を拡大することが出来る。
仲間や協力者が見つかる
作っているものが見えると、「手伝いたい」「一緒にやりたい」という人が現れるかもしれない。
Build in Public の具体的なやり方
別に難しいことをする必要はなくて、以下のような“小さな習慣”から始めるだけで十分です。
- 今日やったことを軽く投稿(失敗もOK)
- デザインやプロトタイプの途中段階を共有
- 悩んでいることを書いてみる
- 新機能の背景や理由を軽く説明
- 学びや気づきをメモ代わりに公開
公開範囲は自分で決めてよくて、売上やユーザー数を全公開する必要はまったくありません。
むしろ“開発の裏側”や“思考プロセス”を軽く見せるだけで十分価値があります。
正直、マーケティングにも本格的に力を入れていかないといけない今になって、もっと早く開発過程や考え方を公開していっておけばよかったなと、ひしひしと感じています。
よくある誤解
「アイデアが盗まれる」
ずっと前から思ってますが、アイデア自体に価値はないです。それを作りきれるかどうかだけ。殆どの人は着手すらしないので全く問題なし。大企業に対抗するような大きなプロダクトの場合はまた別の話です。個人で戦えるレベルで個人で狙うマーケットの規模であれば、問題なしです。
「なんでもかんでも公開しないといけない」
そんなことないです。出したくないところは出さなくてよい。線引きは自由。
「未完成のものを見せるのが恥ずかしい」
むしろ未完成だからこそ反応が返ってきて、改善が進む。
「炎上しそうで怖い」
冷静に公開範囲を調整すれば問題なし。ネガティブ意見は“改善点のヒント”として扱えばOK。
小さなチーム と Build in Public
正直、日本ではまだそこまで一般的ではない文化ですが、ROMIICKのような小さなチーム(ほぼ一人)が世界に向けてプロダクトを伸ばしていく上で、Build in Public との相性はめちゃくちゃいいです。
- ユーザーとの距離が近くなる
- スピード感を武器にできる
- コミュニティや応援が広がりやすい
- “人が作るプロダクト”という物語が伝わる
いけばなラボなど、使ってくださっている方との距離をもっと近くできるし、自分自身の開発のモチベーションにもつながると思っています。
これから少しずつ実践していきます
というわけで、ここまで Build in Public の考え方をざっくり話してきたわけですが、私自分もこの考え方を少しずつ取り入れていきたいなと思っています。
いきなり大げさにではなく、
「今日こんな改善をしました」とか
「今この部分で悩んでます」とか
そういう小さなことから、SNSでゆるく公開していこうかなと。
少しずつ Build in Public を実践していきますので、よかったら覗いてみてください。